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製作進行報告・2018年2月28日

前回以降の報告です。

■ D7プリンターでの出力テストをさらに実施

・前回までに、逆テーパー面に不要な硬化を起こさないためには、D7プリンタのメーカーが供給するレジンに別のメーカーの粘性が低いレジンを混ぜて使用するとでこぼこが押さえられるということが判明していました。この混合レジンで不要な硬化によるでこぼこが最も少なくなり、かつ露光時間が短い混合比率を求めるため、1日2から3回の出力テストを1週間ほど続け、『MakerJuice』製レジンと『Wanhao』製レジン7対3がちょうどいい配合比率として求まられました。露光時間は通常の2倍は必要ですが、とりあえず販売用製品として準備中のモデルの部品の出力テストを実施しました。

 小さめのパーツでは比較的良好な出力結果が得られましたが、16時間かけた大きめの平面を持った部品では垂直面に垂れやモールドの消失が起きてしまい、やはりD7では面構成のメカ的な物は出力が難しいのだろうかと感じざるを得ない出力結果でした。

・さらに2月半ばにオーストラリアより到着していた『Monocure3D』製レジンの出力テストを行いましたが、粘性的には『Wanhao』製レジンより若干低くはありますが平滑面のでこぼこを起こさないレベルではないため、やはり粘性の低い『MakerJuice』製レジンを混合して、適正な混合比と露光時間を求めるテストを2日実施しました。結果的には『Monocure3D』製レジンと『MakerJuice』製レジン7.5対2.5の配合で通常のレジンの露光時間の約1.2倍程度という悪くない値となり、この混合レジンで製品原型用モデルの出力がベストだろうという結論にいたりました。

 その後、この混合比のレジンを使って製品原型の出力テストを行いましたが、製品原型として準備しているモデルはインジェクションモデルのように内側くり抜き形状でどうしても逆テーパー部があるため、内側の出力が透過光の影響ででこぼこや厚み増しの出力になってしまい、どのようにモデルを配置すればこの影響を少なくできるのか、テストプリントを繰り返し現在もテスト中です。

■『スピナー』のバランス確認モデルの出力

・毎日、朝から晩までD7プリンタでの出力テストを行っているため『スピナー』のバランス確認用モデルの出力を行う時間がなかなか取れないのですが、とりあえず底部の出力を実施してみました。出力が適切に行われたのかの検証は必要ですが、パソコンの画面上ではなかなか悪くない仕上がりのモデルが、実際に出力してみると立体感が乏しいく、実出力でバランスや雰囲気を確認する行程は重要と思いました。

■『Fusion360』習得

・やっと使用方法を覚えた日本製3Dモデリングソフトの『Shade3D Ver.17』ですが、モデリング製作におけるエラーが頻発で結果的に求めているモデルがエラー無しでは仕上がらないなど、自分の製作したいモデルの方向性には不向きではないかという判断から、現在メーカーが販売促進展開中の『Fusion360』についてネットで使い勝手を調べ、いくつかチュートリアルを行い、やや高価でしたがマニュアル本を3冊ほど調達して少しずつ勉強しています。エラーの無いモデルがどんどん製作できることを望んでいますが、現時点ではそれが可能なのかはまだ不明です。

■ ソフトウェアの問題と出力方式自体が抱える課題

・この2週間もD7プリンターでの出力の困難さと向き合う日々となってしまいましたが、すでに上げた逆テーパー面の成形問題に合わせて、プリンタを動作させるソフトウェアの『Creation Workshop』には、ボトムレイヤー(出力テーブルにモデルをがっちり接着させる層)の出力に関わる不具合があるらしく、モデルの最下面をサポート無しで出力テーブルに直に出力しようとすると5ミリほどの高さまでが圧縮されたような形で出力されてしまうと言う問題もあります。この影響を受けていないと思われる出力も得られているため、どのような設定なら問題が無いのかを調べるテストも実施していますが今のところは判明していません。

・このようにモデルの出力の前に装置の特徴を知る、できる事とできない事を確認する作業に大変な時間がかかってしまっていますが、当面はこの装置と向き合わなくてはならないでしょう。一番の問題は前回も指摘した通りモデルを透過した紫外線が逆テーパー部の上にある硬化すべきではないレジンを硬化させてしまうという物ですが、昨年見て回った3Dプリンタ展ではこの課題を解決していると思われる装置を販売しているメーカーさん(日本企業)がブースを出していました。

 それは露光毎に紫外線硬化樹脂の中にモデルをどぶ浸けするという方式ではなく、次の露光に必要な厚みのレジンを専用のコーティング構造を持った部品(コーター)でシートの上に塗るという方式で、これですと逆テーパー部の上にはレジンが無い訳ですからこの方式の装置が持っている成形上の問題は起きないのではないかと思います。この1層ごとにミクロン単位の膜を作るやや複雑な機構はたぶん私にも製作はできて問題は解決できると思いますが、設計から完成、テスト成果の評価まで、少なくとも2ヶ月は丸々かかってしまいますので今手を出す訳にはいきません。とりあえず後加工が必要なモデルという前提で3Dプリンタでの出力を行い、工夫しながら製作するという方針でいこうと思っています。

 それでは引き続きお付き合いいただけますよう、何とぞよろしくお願いいたします。

▲『ポリススピナー』の底部を出力した物の裏側の状態は、現時点ではこのようにでこぼこ。
▲少し楽しそうな写真を撮ってみました。普段は工具とテッシュ、洗浄容器でいっぱいの机です。