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製作進行報告・2017年10月15日

前回以降の進行です。

■エッチング資材調達の準備

・返信を待っていた工業用金属エッチング資材メーカーの営業担当者さんから、手工業レベルで取り扱えそうな資材連絡があり、資材の技術情報と作業工程についての資料をいただきました。何種類かの化学溶液と塗膜を均一にする装置を使いながら6工程ほどでエッチングを行うという物ですが、これで金属エッチングに関する標準的な知識が手に入ったのかと感慨深い物がありました。代理店経由での資材価格も分かり、関連する資材と合わせて発注の予定です。

■小型3Dプリンターの発注

・10月より開発製作再開とお伝えしていた『1/43ポリススピナー』ですが、本年3月までに一定程度製作を済ませていた3Dモデルの状態を確認したところ、出力さえすればバランス確認ができる状態でまとまっていることが判明し、フィラメント式プリンターができてからと思っていたモデルのバランス確認ですが、プリンターが手元に無いと作業が前に進まないため、出力サイズが小さくても比較的精細な出力が可能な紫外線硬化樹脂を使ったプリンターの調達を前倒しするという判断に至りました。

・あらためて現在入手可能な紫外線硬化樹脂を使用する装置のリサーチを行い、慎重な機種選定の上で送料別で400ドル程度の最近話題の中国製装置を発注しました。同時進行で自主開発の装置の準備をしているので、発注には複雑な気持ちもありましたが、未納製品の一刻も早い納品が最優先ですし『1/43ポリススピナー』本体とベース等の出力だけを考えれば、この装置の出力サイズで十分です。

・また装置で使用できるパソコンの動作環境の資料によるとwindowsパソコンの調達が必要なことが分かり、普段Macのみ使用していますので、いろいろ検討の上で中古win機を1台調達することになりました。

■自主開発装置関係の作業

・前回までにガラスとUV硬化樹脂の剥離性を高める表面改質加工についての加工費や薄型耐熱ガラスの調達費用がでており、かなりのまとまった金額だったため、さらに簡易でコスト負担が少ない方法は無い物だろうかとあれこれ検討し、金額的にぜんぜん高くない普通の薄板ガラス(研究用)の上にテフロンシートを張って、レーザーでの耐性を調べて、使えないなら表面改質済みガラスに変えてもいいだろう・・という判断に至り、いろいろ調査の上で片面改質ノリ付きテフロンシートを調達。紫外線硬化樹脂との接触でノリが効果を失うことがありうるため、特殊な接着剤を使うなど何種類かの接着方法で浸け置きテストを実施し、それぞれの効果を確認しました。

・さらにレーザー投光方式が固まってきましたので、レーザーダイオードの冷却とマウント方法、XZ軸移動台への固定方法、0.3ミリの出力径を正確に得る方法、故障時に簡易に交換できる構造含めて出力機構の設計を行いました。いろいろ上手くいかなかったおかげで、取り付け交換作業が行いやすい簡易な構造としてまとまりつつあります。

■製品開発の進行

・前回のレジン製材料の旋盤加工に引き続き、必要な部品の旋盤加工を実施し、さらにどのように加工するか決めかねていた部品の加工プランを必死に考え、製品と展示台(ベース)の固定方法、電装系の最終的な設計などを行いました。

・また、同時に開発している製品2種類がありますが、今後の製品の多くに組込みたいと思っている音声回路に使用するための効果音製作用のDMTソフトの最終的な選定を行い、結果的に『FLスタジオ』というソフトウェアを購入しました。安い物ではありませんし、高機能すぎて使いこなせるか不安であったり、効果音作成には明らかにオーバースペックですが、永久アップグレード保証というなんだかすごい製品ですし、大は小を兼ねるということで私にとっては大きな決断となりました。

以上がここ2週間ほどの流れです。私事ですが月初には身内に不幸があり、時間的になかなか仕事に取り組めない状況などもありました。また、私の取り組んでいる事のほとんどすべてが自分にとっては未経験、未知の知識体系、未知の技術体系がベースになっている物で『こういう物を造りたい』という意図の前に、調査、学習、理解、選定、最終判断、調達調査、最終調達という行程が必要で、さらに調達した後も使用方法の学習、テスト使用、使用経験の積み重ねが必要という気が遠くなるような世界です(1万時間の壁もあります)。こういった時間を無駄と考えるならば製品企画開発と設計だけ行い、製作は個別外注という大手企業各位がやっている手法を取ればいい訳ですが、当方はアフリカ象とバクテリアほどの事業規模の違いがある訳で実行不可能ですので、こつこつ知識や技術を学んでいくしかないでしょう。このように、ある方面から見ると無駄な方法論にもいいところがあるとすると、さまざまな製造技術を知っていると『こうすれば、こんな製品がこういう方法でできちゃうなぁ』という統合的な発想ができるようになることでしょうか。

このような進行でありますが、引き続きお付き合いいただけますよう、何とぞよろしくお願いいたします。

▲ちょうどいい加工刃がないためアルミで自作したエンドミルと、それを使って加工したレジン製部品。