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製作進行報告・2017年8月31日

前回以降の進行状況の報告です。

レーザーダイオード駆動回路の完成

・お盆期間中に必死に取り組んでいたレーザーダイオード駆動回路の製作は8月17日までに終え、一般的なLEDを使って点灯テスト、電圧電流値などのテストを実施しました。駆動回路を設計してくれた賢人が何度も修正回路図を送ってくれたという事は、回路の設計間違いをされていたのかもしれません。

レーザー用レンズ系の設計

・レーザーダイオードが使用できることが分かりましたので、次にレンズ系の設計に入りました。ダイオードの仕様書をもとにレーザーの拡散角度を決めて、レンズ調達先で入手可能で、さらに投光機構部に収納できる焦点距離を持ったレンズを選定しました。すでに使用している紫外線LED130°の拡散角度で、今回使用するレーザーダイオードは拡散角度20°でしかも波形(?)が揃っていること、ガルバノスキャナを使用した中国製紫外線レーザーの3Dプリンターの出力は100mWで、今回使用予定のダイオードは200mW、電流供給をパルスモードで行うことができれば400mWで使用できるというもので、かなり期待できそうです。また拡散角度が小さいので平行光を作るレンズは1点のみの構成で設計してみました。

紫外線LEDで造型テストを再実施

・レンズとダイオードを固定するマウントの最終的な設計に入る前に、紫外線LEDを使った造型テストで硬化物が得られなかった原因を探ることとし、投光機構部の機械加工、投光経路を短くするために薄いアルミ板を使った0.3mmのピンホール穴付き板を作成し、板厚などを変えながら3回ほど硬化テストを実施。残念ながら造型テーブル側に硬化物は得られませんでしたが、投光側には数ミリの樹脂硬化物が張り付いており、また力をいれなくてはその硬化物が取れないという状況から、問題は投光側に樹脂剥離性が無いということが原因と強く考えられる事態となりました。

・紫外線レーザーを光源に使用するメドが立った事、紫外線LEDでの硬化物が得られない原因が判明したことを受けて、今後装置完成までにかかる工程をリストアップしてみました。

◎紫外線LEDを使った追加テスト
◎投光側の素材の表面改質加工(樹脂剥離性を高める)を下請けしてくれる業者のリサーチと問い合わせ確認。発注から受け取りまで(発注後3週間)
◎レンズ、ダイオードマウントの設計と旋盤加工
◎ファームウェアのレーザーモード化と、それに対応したプリンタードライバー回路基板への変更。それにともなうマザーボード、装置電装系の再設計。
◎造型テーブルの平滑化
◎レーザーモードでの無負荷動作テストと調整
◎紫外線硬化樹脂を使った造型テストと調整

今後の進行:装置開発は2次課題扱いに

・以上のような工程内容から判断してフルタイムで装置開発を実施しても最低でももう2ヶ月は必要で、資金繰りがひっぱくしている現状、未納製品の納品スケジュールをこれ以上ずらしたくないということから、今後の進行は下記のよう進めることとしました。

◎装置開発は2次課題とし、今後3〜6ヶ月かけて製作と実験を繰り返し完成を目指す。
◎当面、資金繰り対策用の製品開発と販売を最優先とする
◎廉価なフィラメント式3Dプリンターを調達し、当面の製品開発に使用する。もしくは時間的余裕があれば造型ヘッドだけ調達して製作中の3Dプリンタに組み込み使用する。
◎未納製品開発は10月より再開し、モデルのバランス確認などはフィラメント式3Dプリンターを使用して行い、製品原型用の精細出力部品は外注、もしくは市販のプロジェクター式紫外線硬化樹脂3Dプリンターを中古で安く購入し造型する。もしくは開発中の装置完成が早まればそれを使用する。

フィラメント式3Dプリンターは造型が精細ではなく、また造型サイズもさほど大きくない。プロジェクター式紫外線硬化樹脂3Dプリンターは造型サイズが極端に小さい。高精細出力物を外注すると外注費が非常に高い(タバコサイズで5万円以上)という課題があります。

・以上が今後の進行の流れになります。これに伴う未納製品のお届けのさらなる遅れについて大変申し訳なく思っています。本当に申し訳ありません。ただこのような判断にいたるには、装置本体の完成、電装系の完成、ソフトウエアの理解、光源、液送り系の完成などさまざまな要素技術がそろって、それを統合した状態で稼働させる必要がありました。

・私におきましては第一義的に『未納製品のできるだけ早い全納品』を目指しており、それを実施するためには『最低限の資金繰りが安定して繋がっている状況』が必要で、そのためには『高精細でできるだけ大きい出力サイズの造型装置が手元にある』必要があるというコンセプトで作業を進めさせていただいております。

私が自主開発装置の具体的な準備をはじめて以降、3Dプリンターの市場動向は大きく変わりましたが、それでも業務用装置は数千万円台(プラス数十万円の年間保守契約費がかかり、メーカー供給の大変高価な紫外線硬化樹脂を使用しなければなりません)ですし、さまざまな種類が発売されているフィラメント式装置では、なめらかな表面再現はできても航空機のコクピットのような細かい造形は不可能です。また紫外線硬化樹脂で高精度な出力を実現するプリンター(プロジェクターやガルバノスキャナを使用)ではもともとがジュエリー製造業界向け装置であること、また構造的に大型化できないという理由から造形サイズが極端に小さい物ばかり・・・という現状は変わっていません。どうしても装置の自主開発にこだわっているのは上のような理由からとなります。

以上のような状況ではありますが引き続きお付き合いいただけますよう心からお願い申し上げます。

▲紫外線レーザー対応のゴーグル。透明なので心配ですがメーカーが用途に合わせて勧めてくださった製品です。