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製作進行報告・2017年7月31日

前回以降の進行状況の報告です。

■ドライラン(無出力動作)テストの準備作業を実施

・まずはXYZ軸のモーターと反対側の固定を緩く設定調整し、キャリッジが上に行くに従って軸の歪みで負荷が増えてしまい移動値が狂うことを防ぐためで、市販のステッピングモーターがモーターと反対側の固定部をケーシングしたユニットとして販売されているのは、こういったことを防ぐためなのだ・・と最近気がつきました。また、一般的なプリンターとモーター固定方向等が違うため、回転方向の調整を実施しました。

■ドライランを実行

・機械的な準備がほぼ完了しましたので恐る恐る『ドライラン』テストを実施しました。ところがノイズがひどかったり、移動方向がおかしかったりする上に、なんと同じデータでドライランしても、移動方向や移動値が毎回違ってしまい動作の再現性がありません。Gコードでの単純軸移動では問題が起きない状況でしたので、すんなりドライランできるつもりがこの状況で、完全に青ざめてしまいました。

■ドライランの不具合への対処を実施

・原因が分からないまま3Dデータやスライスの設定、信号を送るケーブルがノイズを拾っているのだろうか??などといろいろ調べながら動作テストを繰り返しましたが改善が無く途方に暮れていると、動作異常はノイズが発生した後に起きており、また実際のGコードを調べてみるとモーターの送り速度がファームウエアで設定した数値の10倍近い数字になっており、原因はステッピングモーターの『ステップ飛び』ではないかと思い当たりました。軸が与えられたコマンドを実行しているつもりが、実際は『ステップ飛び』をしながら同じ位置でノイズを立てているだけで、『ステップ飛び』が終わるとその直後から次のコマンドを通常通り実行するため、反対方向に移動したり倍の距離を移動したりと言う現象が起きているのでは?ということで、その前提でスライスソフトでヘッドの移動スピードを調整。するとノイズも殆どなくなり、また動作方向、移動量とも正常に見える状態になりホッとしました。

■ウエットラン(実出力)テストの準備

・次に、出力に関する要素で大切なエクストルーダーの信号をUV-LEDの点滅に変換するワンショット回路とモデル出力動作の関係を調べようとドライラン状態で観察したところ、ワンショット回路はドライランの開始から停止までずっと点灯状態であることが判明し、これは一体どういうことか??とまたまた青ざめてしまいました。回路を分解して調べるなどしましたが、マザーボード組込み済みで十分な動作確認ができないため電子パーツ店で新しい回路を購入しいろいろテストをしたところ、ぜんぜんワンショットになりません。そこでメーカーのサイトをよくよく見ると、長いオン信号に対して0.5秒などのワンショット化をしても、元々そのように動作しない回路であるということが判明。ワンショット回路にかけた延べ日数の3週間ぐらいが一挙に吹き飛んでしまいました。これを解消するには別のファームウェアでのレーザーモード化が必要ですが、さらに勉強が必要で、またテストを何度もしなくてはならないため後回しにすることにしました。

・さらにUV液を送る専用の電源を追加して配管作業を済ませていましたが、実際のUV液送りテストはまだだったため、こちらも恐る恐る実施してみたところ液送りがぜんぜんできず、またまた青ざめてしまいました。高額なポンプが壊れてしまったのだろうか??と心配して配管を分解してみると、紫外線防護が不十分だった箇所で配管詰まりが起きており、さらに内径Φ2.0の配管は元々高い圧をかけなければ液体も気体も送れないということが判明。人間が口を当ててぷぅ〜と吹いても楽じゃないという、工学の勉強をしている方なら当たり前のことに気がつき、内径Φ3.0の配管と継手を発注し、後日交換することとし、とりあえず目詰まりを解消して液送りテストを実施。かなりゆっくりですが、なんとかなりそうな状態で液送りを確認しました。

■ウエットラン・テストの実施とその結果

・そしていよいよウエットラン・テスト(実出力テスト)を恐る恐る実施。3度ほど実施しましたが何も硬化物が出来ず、慌てて LEDの点灯確認し、さらに動作速度を変えるなどしてみましたが硬化物は得られず。出力機構部を分解して焦点距離などの確認を行いましたが集光できており、青ざめるというよりはLEDのメーカーの営業担当者に『うまく行かないと思いますが・・・』と指摘されていたのを思い出したり、外注製作した機構部に感じていた集光に関わる不安な部分を思い出してみたり。反面、LEDの波長はUV液メーカーの硬化波長優位域にピッタリで、波長も出力パワーも高い物(価格も高価)を選んでいるし、昨年実施した硬化テストではちゃんと硬化していたのだから硬化するはずだ・・と思ってみたり。

・すんなり硬化物が出来るものと思っていただけにかなり心配な状況ですが、現状で原因と思われるところの改善方法を検討し、さらに 『プランB』、『プランC』(しょうがないので普通のフィラメント式大型3Dプリンターとして完成させる)など、状況を整理しながら検討しました。とりあえず英語で言う『DAY ONE』、ウエットランの第1日目なのですから、うまく行かなくて当然ということで、本日より出力機構部の加工調整と、うまく行かなかった場合に備えての『プランB』の準備を始めています。

■その他

・この期間中、海外のお客さまが『ブレードランナー』ファンの間でやり取りされているという写真類を大量に送ってくれるという、うれしいニュースがありました。私自身はじめて見る写真や、雑誌等でごく小さな写真としてしか見る事の出来なかった写真があり、モデル製作上どうしても確認しておきたかったアングルからの写真も含まれており、とても役立ちそうです。このような入手困難な資料は『ブレードランナー』に限らず常に必要としています。

・3Dモデリング製作上では、ここのところ課題だった、サーフェィスモデルにプラモデル的に厚みを付ける作業を行うとモデルがガチャガチャになってしまうという、途方も無く恐ろしい状況の原因が判明し、手作業で修正可能な事が分かり、かなりホッとました。

・毎日起きてから寝るまでの作業で修行僧のような生活をしていますが、課題が多くなかなか結果的に緩慢な進行になっておりますが、引き続きお付き合いいただけますよう心からお願い申し上げます。

※現在、樹脂硬化をより集光力の高いUVレーザーで行う方向で準備に入っており、レーザードライバー回路を含めた製作のための部品調達を初めています(『プランB』)。中国製レーザーは素性が分からないため使用せず、国内部品でまとめます。集光用として設計・組み込み済みだったUV-LEDは、造型後のキュアー(仕上げ硬化)に使用する予定です。また造型テーブルの平滑問題も解決の方向です。(20170802)

▲海外のお客さまからいただいた、タイレルビルの屋上のシーンで使われたモデルのレプリカ。ミニチュ
ア製作に関わった方から手に入れたそうです。これを複製して販売するということはいたしませんよ。