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製作進行報告・2017年4月30日
前回以降の進行状況の報告です。

・まず、前回までに3種類の稼動軸の動作の確認ができたため、設定値と実際の移動距離などの関係を把握するために稼動テストを繰り返しました。単純な造形用モデルの出力で動作を確認しようとしましたが、ステッピングモーターのものすごいノイズとテーブル送り用のネジ軸などが出す共振音が激しく、また動作も造形用モデルの通り動いているようには見えず、さらにその原因が分からないため青くなって途方に暮れてしまいましたが、気を取り直して海外のDIY系3Dプリンタの掲示板などを何日もかけて読み込み、またモーターのメーカに問い合わせをしてみました。結果的にステッピングモーターの動作時の電流値と1秒間に行うステップ数、さらにステップの送り速度の設定で適正な設定が決まりノイズ低減ができるということが判明し、各設定値を調整しながらXYZ軸の動作テストを行いました。

・XYZ軸の動作の動作確認を繰り返すなかで、テーブルの上昇時にまだ異音が起きるためさらに調べてみると、設計寸法の間違いで上昇するほど無理がかかる状態なっていることが判明し、その原因を取り除き、さらに完全上昇、完全下降時の軸の歪みを取り除くために、上部ネジ軸のベアリング固定を半固定化し、遊びを持たせて歪みが起きないように処理しました。

・上昇下降のZ軸の調整が済みましたのでさらにXYZ軸の数値等の設定を変えながらモーターの稼動テストを実施しましたが、使用しているステッピングモーター用ドラーバー回路にどうも限界があるように思えるため(電流の調整域が狭く、動作不安定やノイズ発生が続発)さらにネット上の3Dプリンタ関係の情報を読みこみ、困難に思っていた低電流域の調整が可能なドライバーがあることを知り海外のメーカーに複数種類発注しました。

・発注したドライバーの到着を待つうちに先日完成させていた液送りと液回収ポンプの動作確認を再度行いましたが、液回収用のポンプの動作音がどうもおかしいため回路図を確認するといくつか誤りがあることを発見し、加工調整しました。その後、いよいよ液送りテストを水道水を使い行いましたが、毎秒35ミリリットルの液送りはやはり勢いに乏しく心配ではありますが、家庭用低価格のポンプの毎分20リッターなどでは量が多すぎて使えない訳ですし、騒音的にも選択肢にいれることができません。また使用しているポンプの液送りを上げるには周波数値を家庭用電源の50kHz以上に上げる電源回路が必要で、これがどれも8万以上するため途方に暮れてしまう状況です。

・液送りテストの後は海外から到着したステッピングモーター用ドラーバー回路を使いXYZ軸個別の動作テストを実施し、静音で安定した動作を確認しました。ただ現状では、それぞれの軸個別に、例えば『右方向25ミリ、これこれのスピードで移動』という信号を送っても、それぞれの軸がその数値と違う数値で移動してしまうため、入力数値と移動量を一致させる作業をファームウェア上で行う必要があり、それを目分量では無くいかに正確に計測するか?とあれこれ検討しました。必要な部材も調達しました。

・また、ステッピングモーターの動作調整が済んだ後は実際のUV硬化樹脂を使った運転時硬化テストが必要ですが、ネット上でいろいろ調べていると3DプリンタをCNC化したり、レーザー彫刻機化する方法について情報交換されていることが分かり、UV硬化樹脂を硬化させるUV-LEDを点滅するためのTTL信号を生成する方法について、私が準備している樹脂押し出し用ステッピングモーターへの信号を変換する回路が不要な方法が無いか調べています。ステッピングモータは極性がパタパタ反転する2組の極で出来ていて、また停止時は基本的に通電という物ですので、そういう信号を極性の変化しない5VのTTL信号に変換するもっといい方法は無いのだろうか?という感じです。

・以上、残っていた未知の要素の大半を実験的に確認し、あとはUV硬化樹脂が思っているように硬化してくれるのか?という段階に入りました。これについてはさまざまな要素、例えば硬化させるための紫外線照射ヘッドの移動速度と紫外線の強さ(照射する光子量)の調整で決まってくることで、照射ヘッド移動距離の調整とTTL信号生成回路の見直しが済みしだい調整を実施の予定です。理屈的には照射ヘッドの移動速度が早ければ早いほど造形スピードが上がるはずですが、十分に硬化しない、造形上何か問題が発生するなどいろいろなケースが考えられますので、ここはじっくり行わなくてはならないでしょう。ミクロン単位の高精細出力をできるだけ実現するというのが目標なのですから。

 さて、一時はモータが思ったように動かず『自分には手に負えないのでは?』と真っ青になりましたが、必死に調べているうちにさまざまな要素の組み合わせがスムーズな運転を生み出すことが理解でき、ファームウェアやスライスソフト、印刷ソフトにあるいろいろな設定の意味が分かってきました。さらに、既に持っている知識や装置の延長線でCNC加工やレーザー彫刻ができるのですから、その技術でどのような物が造れるのだろうか・・と、とても興味深く、また楽しみです。

それでは引き続きお付き合いいただけますよう、何とぞよろしくお願いいたします。
▲ステッピングモータのドライバー回路4種類(1点は袋の中)。白い基盤の物が調子がいいようです。